旭化成、GLMと共同開発で実走するクロスオーバー型コンセプトカー「AKXY(アクシー)」を発表


旭化成は、実売も可能なほど完成度の高い車両を短期間で生み出し、対してGLMはプラットフォーム事業の記念すべき第一歩を印す

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅)と京都大学発EVベンチャーのGLM株式会社(本社:京都府京都市、社長:小間 裕康)は2017年5月17日、クーペスタイルにガルウイングドアを備え、実走行も可能なクロスオーバー型コンセプトカーを「AKXY(アクシー)」共同で開発した。

この「AKXY(アクシー)」で、実走行可能とした自動車としての基礎部分は、今回パートナーとなったGLMが、かつて量産第一号車としてリリースしたEVスポーツカーである「トミーカイラZZ」のプラットフォームを活用している。

同車台とパワーユニットをベースに、旭化成は「自動車の安全・快適・環境への貢献」をテーマに、自社が保有する最先端の素材技術とシステム技術を随所に隈無く27種として盛り込んだ。

旭化成・常務執行役員 兼 高機能ポリマー事業本部長の吉田浩氏

なお車名の「AKXY(アクシー)」の命名については、記者発表会場となった都内・新豊洲ランニングスタジアムで登壇した旭化成・常務執行役員 兼 高機能ポリマー事業本部長の吉田浩氏によると、『Asahi Kasei × You(お客様)=AKXY』の語源が込められていると語った。

さらに「今後、多くの国内外の自動車メーカー様や、部品メーカー様に当社の自動車関連素材・部品・システムを総合的に表現したこのコンセプトカーに直接触れていただくことで、旭化成と、お客様が共に未来の価値を創造する関係をいっそう強く構築していきたいという思いを込めています」と述べた。

車両は、来る5月24日(水)から26日(金)に掛けて開催される「人とくるまのテクノロジー展2017」(横浜)にて展示へ

旭化成オートモーティブ事業推進室長・宇高道尊氏

また続いて登壇した旭化成オートモーティブ事業推進室長・宇高道尊氏は、「『AKXY』には、金属材料の代替として自動車の軽量化を実現するエンジニアリング樹脂や、快適性に優れるカ―シート用人工皮革、各種音声処理技術を利用した車内コミュニケーションシステムなど、当社の多岐にわたる部材やシステムを27品目搭載しています。

その多くは現時点で量産車への導入が可能なものばかりです。

例えば、ドライバーの脈波を無意識下で検出することができる非接触バイタルセンシングシステムや、車内の空気環境をセンシングするCO2センサーなど、安全運転や事故防止といった自動車業界のトレンドに於いて、今後実用化の可能性をもつ最先端技術も搭載しています。

加えてこの「AKXY」は、この5月24日(水)から26日(金)に掛けて開催される「人とくるまのテクノロジー展2017」(横浜)にて展示いたします。

同展示会では、『AKXY』自体の展示の他に搭載技術・素材や内部構造材や部品を説明する模型。さらに今コンセプトカーには搭載していない当社の最先端の部材・センシング・バッテリー関連技術も併せて展示する予定です。

5月の展示の後、6月28日(水)から6月30日(金)の名古屋に於ける同展示会でも『AKXY』の展示を予定しております。

旭化成グループは、今後も自動車関連のお客様と連携を一層深め、自動車の安全性、快適性の向上、環境への貢献に応じた多様なキーアイテムを総合的に提案してまいります」と語った。

一方GLMは、かねてよりプラットフォーム等の基礎設計を他社に提供する「プラットフォーム事業」を目指していたが、今回まずはコンセプトカー造りに於いてこの目標を現実のものとした。

これによりGLMは、新たにEV事業に参入したい国内外の中小企業を育むというスケールの大きな事業に向けて、確かな歩みを踏み出したと云えるだろう。

今基礎の「トミーカイラZZ」とは、全く異なる新クロスオーバー車でありながら、最高出力305馬力のパワーと共に高度な走行性能を実現

両社が今回、初披露したコンセプトカーはプラットフォームの基礎となった「トミーカイラZZ」とは全く異なる3人乗りクロスオーバー車となったが、全長4,685mm、全幅1,813mm、全高1,562mmで、モーターは0-100km/h3.9秒を発揮していたトミーカイラZZと同じ最高出力225kW(305馬力)のユニットを搭載。

スポーツカーとSUVを融合した、クーペスタイルの美しいルーフラインと、展示会場に設置されるショーカーに相応しく、全開放までに約20秒掛かると云う穏やかな速度で開く電動開閉型のガルウイングドアが、大きな特長とひとつとなっている。

開いたドア内側の室内空間は、ドーム型のルーフ形状に包まれる形の柔らかなカラーコーディネートを施され、文字通り「優しく」・「柔らか」な印象を乗員に与えるものとなっている。

エクステリア全体のスタイリングデザインは、GLMのカーデザイナー石丸竜平氏が手掛けたもので、同氏によるとショルダーラインより上の部分は球体をイメージ。一方、ショルダーラインより下側は水平や斜め45度の線を幾何学的に組み合わせたシャープなものとした。

対して、車両のフロント部分・リア部分は絞るような形状としたことで、車両上部と下部の相反する印象を強く残しつつ、調和のとれた近未来的なデザインに仕上げたとしている。

「AKXY」搭載の最先端技術は、旭化成の高剛性・高機能樹脂のみならず、同社の隠れた先端技術と云えるセンサー技術も注目

同車に盛り込まれた旭化成の最新鋭技術では、今後の自動車開発に欠くことの出来ない高剛性・高機能樹脂。天然素材とは異なる次元まだ機能性を高めた人工皮革の他、既に旭化成がエコタイヤ開発で世界の自動車市場をリードする合成ゴム素材等を使用。

さらに旭化成の隠れた先端技術と云える数多くのセンサー(感知器)技術を盛り込んだ。

写真は、2017年・旭化成グループキャンペーンモデルの大伴理奈さんと「AKXY(アクシー)」

具体的には、常時・運転中のドライバーの顔をカメラで撮影しながら、脈波から心拍数を計測する非接触型の脈波検出技術(非接触バイタルセンシングシステム)。

運転者の眠気の原因とされる室内の二酸化炭素濃度を感知する技術(CO2センサー)など多彩で、これらセンシングデバイスから異常を察知した場合、ドライバーにアラーム通知を行うなど、現代社会に於いても必須とされる能力を実用領域で発揮できる完成度を以て搭載している。

この旭化成のコンセプト車両開発の一翼を担ったことについて、かつてミスターGT-Rと呼ばれるトップエンジニア水野和敏氏の元で鍛えられ、後にトヨタの「レクサス」部門で6年間アンダーボディ(車台)の設計を担当した現GLM技術本部長の藤墳裕次氏によると、「今回の『AKXY(アクシー)』の開発については、我々のプラットフォーム事業の一環として、既存のコンセプトカーの概念を超える完成度を求めて真摯なクルマ造りを目指しました。

GLM技術本部長の藤墳裕次氏、「トミーカイラZZ」に於ける開発の様子

当社は今後もプラットフォーム事業を通じて、EVに新規参入したい各国企業の開発部隊としての役割を担っていく考えで、部品点数の少ないEVは旧来のガソリン車より参入障壁が低く、かつ環境対応という社会的ニーズの高まりを受けて、現実に世界の様々な業態・業種から注目頂いています。

具体的には安川電機やオムロン、リチウムエナジージャパン、ニチコン等を筆頭とする国内トップ企業との垣根を越えた協力関係(GLMエコシステム)を使う事で、莫大な初期投資を伴う事無く自動車メーカー以外でも、優れたオリジナルEVをリリースできることをお示しする絶好の機会となりました」と話していた。

以下は「AKXY」搭載品リスト


旭化成「AKXY(アクシー)」特設サイト: 

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