出光興産、創業家の即時抗告棄却に伴い新株式発行へ

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出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:月岡 隆)の公募増資計画(新株式発行)の実施に関し、7月18日に同社・創業家側(日章興産ら)の即時抗告により膠着状態となっていたが、翌19日付で東京高等裁判所が、創業家側の即時抗告を棄却する決定を行った。

具体的な決定内容は以下の通り

決定の概要
(1)決定日:平成 29 年7月19日
(2)決定の内容:本抗告をいずれも棄却する。
抗告費用は抗告人ら(日章興産ら)の負担とする。

決定理由について、東京高等裁判所の川神裁判長によると、「公募増資による新株発行で、出光側に反対する株主らの支配権を弱める確実性は低いこと。

新株発行後、すぐさま昭和シェル石油との合併承認議案を目的に臨時株主総会を開く可能性が低いことを示唆した。

この抗告の棄却決定を受けた出光興産は、当初・同社経営陣が予定していた通り、新株式発行の実施へと進む構えだ。

新株式発行に関わる概要については、同記事下段に記述しているが、そもそも新株購入の払込期日が20日となっていたことから、東京高等裁判所がこれを認める判断をするか、業界では注目していた。

なお、この新株式発行に至った経緯については、先にも報じた通りであるが、平成27年に出光興産が、昭和シェル石油株式会社と経営統合に向けた協議を開始。

翌年・平成28年12月に出光興産は、ロイヤル・ダッチ・シェル ピーエルシーの子会社から、昭和シェル石油の株式117,761,200株(31.3%議決権比率)を取得して持分法適用関連会社化。

さらに平成29年5月に、昭和シェル石油と企業統合化してグループを形成。協働事業を強化・推進することで趣意書を締結した。そして現在に至り、経営統合に向けた協議を加速させている。

ちなみに新株式発行に伴い、獲得予定の調達資金はロイヤル・ダッチ・シェル ピーエルシーの子会社から、昭和シェル石油の株式の一部を取得した際、平成28年12月19日付で出光興産が借入れたブリッジローンの一部を資本に置き換える。

さらに、平成29年度中に商業運転開始を予定しているベトナム・ニソン製油所の生産開始までに要する原油在庫の購入資金等の運転資金に。

加えて将来に亘り、高い成長が期待される海外潤滑油事業や、有機EL材料事業等の戦略投資等に充当する予定としている。

公募による新株式発行の概要は以下の通りとなる。

(1) 募集株式の種類及び数
下記合算の同社普通株式:48,000,000株

  • 国内一般募集における(国内引受会社による)
    買取引受けの対象株式として、同社普通株式33,600,000株。
  • 海外募集における(海外引受会社による)
    買取引受けの対象株式として、同社普通株式8,139,200株。
  • 海外募集における(海外引受会社に付与する)
    追加的に発行する同社普通株式を買取る権利の
    対象株式の上限として、同社普通株式6,260,800株。

(2)発行価格:
(募集価格 ※1)=1株につき金 2,600円
(3)発行価格の総額(※2)=124,800,000,000円
(4)払込金額(※1)=1株につき金2,489.36円
(5)払込金額の総額(※2)=119,489,280,000円
(6)増加する資本金及び資本準備金の額(※2)
=増加する資本金の額:59,744,640,000円
=増加する資本準備金の額:59,744,640,000円
(7)申込期間:(国内一般募集)
平成29年7月13日(木)~同年7月14日(金)
(8)払込期日:平成29年7月20日(木)

結果、出光興産側は、発行済み株式数の約3割に該当する4800万株の新株を発行して、およそ1200億円の資金を調達する。

これにより創業家の持ち株比率は、現33.92%から約26%に下落し、予てより争点となっていた昭和シェル石油との合併決議を、創業家側単独では、否決できなくなる見通しだ。