世界耐久選手権(WEC)最終9戦・バーレーン、「アウディR18」が上位独占で撤退の花道を飾る

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3位はポルシェ(ポルシェ919ハイブリッド)、トヨタ陣営(TS050 HYBRID)は4・5位に沈む

WEC世界耐久選手権、最終第9戦バーレーン6時間(開催地:バーレーン・サヒール、バーレーン・インターナショナル・サーキット、1周5.412km、開催期間:9月16~19日)の決勝レースが、現地時間6月19日(土曜日)に行われた。

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19日の決勝は、カー#8を筆頭にアウディ陣営のリードでスタート。その後、同チームのカー#7アウディR18も浮上し2台が上位を独占。

2番手グリッドからスタートしたカー#1ポルシェ919ハイブリッドが3位。最終戦での逆転に望みを繋いでいたトヨタ陣営(TOYOTA GAZOO Racing)の2台のTS050 HYBRIDは4位・5位に沈んだ。

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結果、今季の総合優勝の栄冠は、前戦の上海でマニュファクチュアラー選手権を獲得し、最終戦バーレーンに於いてドライバーズ選手権も手中にしたポルシェ陣営に。

アウディ陣営は、今季撤退のため最後のレースとして臨んだバーレーン6時間レースで首位を独占するという有終の美を飾り、2012年の新生WEC誕生以来、5年間に渡る挑戦の歴史に一区切りをつけた。

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対してトヨタは、ドライバーズタイトル総合3位・マニュファクチャラーズタイトル3位(9戦1勝、表彰台7回)で2016年の幕を閉じた。

レースは現地時間午後4時、外気温約30度のなかロイック・デュバル/ルーカス・ディ・グラッシ/オリバー・ジャービス組のアウディ#8号車のリードで始まった。

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小林可夢偉がドライブしたトヨタ#6号車は、マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組のアウディ#7号車を追い上げるも前に出ることは叶わず、むしろチームメイトの#5号車にも追い上げられることとなった。

レース開始後1時間、ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リエブ組のポルシェ#2号車がGTクラスの車両と接触して後輪がパンク、順位を落としたためにトヨタは#5号車が4位、#6号車が5位に浮上。

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この順位は、レースが半分を消化する午後7時まで続いたが、その後は、2台のTS050 HYBRIDはピットストップ毎に7回も順位を変えるレースを展開した。

しかし、今日のトヨタ陣営は絶対的なスピード不足に悩まされて、3位を走るティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンダン・ハートレー組のポルシェ#1号車に最後まで手が届かなかった。

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午後10時のゴール。アウディ陣営のロイック・デュバル/ルーカス・ディ・グラッシ/オリバー・ジャービス組がドライブする#8号車アウディR18が、同じ僚友のR18同士で何度か首位の座を入れ替えながらポール・トゥ・ウィンでチェッカーフラッグを潜ることで、WEC撤退の花道を飾る劇的な勝利でレースが終了した。

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結果、ポルシェ#2号車が、レース序盤の他車との接触により6位でフィニッシュラインを超えた時点で、今季のシリーズ新チャンピオンを確定した。

トヨタ陣営の2台は、セバスチャン・ブエミの乗る#5号車が2台のアウディから1周遅れの4位。マイク・コンウェイが最後のステアリングを握った#6号車は、さらに38秒685遅れの5位でレースを終えた。

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なおポルシェ#1号車のファイナルスティントを担当したウェバーは、このセッションが自身のレースキャリアの最後を飾るドライブとなった。

最終戦の終わったバーレーン国際サーキットでは、翌日の11月20日にWEC主催のルーキーテストを実施。TOYOTA GAZOO Racingは、ここで2台のTS050 HYBRIDを走らせた。そのうちの1台には今年LMP2クラスで活躍した若手のピポ・デラーニがステアリングを握った。

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ポルシェ陣営・チーム代表アンドレア・ザイデル:
「ル・マンに勝ち、マニュファクチュアラーズ選手権を獲得して、ドライバーズ選手権も勝ち取りました。2年連続して私達はすべての目標を成し遂げたことになります。

これはポルシェチームにとって最高の悦びです。個人的にはマルク、ニール、ロマンというカーナンバー2の3人のドライバーとチームクルーを祝福したいと思います。

この車は2016年のすべてのレースを通じて、一度もテクニカルトラブルでピットインしたことのない唯一の車両です。私達はすでに次の栄冠を目指しています。短い休みをとってからは2017年シーズンへの準備を全開で始めることになります」。

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ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー1)のドライバー
ティモ・ベルンハルト:「私のスタートは悪くありませんでした。ニールがインに入ってきたので、当然追い越しのためのスペースをそこに残しました。2台の速さはほぼ同等で、どちらもアウディを追いかけるほどの速さはありませんでした。しかしトヨタを打ち負かせることは明確でした。

私達にとって最も重要なことはレース終盤のマークのスティントまで間違いなく繋げ、彼がファイナルラップを走って最後にもう一度、彼と一緒に表彰台に上ることでした。今日は言葉にならないほど感動的な一日でした」。

ブレンドン・ハートレー:「ティモとマークの後を受けた私にとって最初のスティントは非常にうまくいきました。中嶋一貴が背後にいる上にトラフィックも混雑していましたが、問題はありませんでした。

アウディに関していうと、気温が下がってから追い上げられると期待していたのですが、今日はそうはいきませんでした。

彼らは最後のレースで勝利を挙げるに相応しい状態で、マークと私達は表彰台に上ったことで満足すべきでしょう。私達は最高の仕事を成し遂げました。マークが引退することは残念でなりません」。

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マーク・ウェバー:「今日は2番目と最後のスティントを担当し、どちらにも満足しています。序盤はカーナンバー5のトヨタといいバトルを繰り広げました。

何とかオーバーテイクしてリードを築こうとしましたが、アウディを追い上げるほどペースを上げることはできませんでした。最後のスティントではこれがヘルメットを被る最後の機会になることに感情的にならずにいられませんでした。

私は最後のスティントを満喫し、マシーンをトップ3でチェッカードフラッグの下に連れていくことができましたが、それは今日手が届く最高の結果でした。

ティモとブレンドン、そしてチーム全員とともにポルシェで過ごした3年間は素晴らしい時間でした。永遠に続くことなどどこにもありません。私は素晴らしい時に引退しますが、また近いうちに全員と会えることを楽しみにしています」。

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ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー2)のドライバー
ロマン・デュマ:「レースが始まって1時間で表彰台に上る可能性を失いました。ニールが他車と接触を起こした後、私達の919は調子を崩してしまいました。あらゆるコーナーで軽いオーバーステアを示すようになったのです。

もっとも選手権ポイントのことを考えると無理にプッシュすることもできません。何よりもミスを犯すことなくレースを無事に完走することが大切だったからです。それがうまくいってほっとしています」。

ニール・ジャニ:「「決勝レースのスタート時は期待を持てる状態でした。一番難しいポジションでラップ遅れを処理する場面が多く、難しい場面もしばしばありましたが、最初のピットストップまでは戦略もうまく機能していました。

しかしアウトラップでGTカーが私に接触しタイヤとボディワークに損傷を負ってしまいました。緊急修理の後のマシーンの状態は完全ではなく、前を走る車両との間に空いたギャップを埋めるのは無理な状況でした。

私達ができるのはカーナンバー6のトヨタが優勝しないことを願うのみで、コース上を走り続けるために一切のリスクを冒さないよう気を遣いました。

マルク・リーブ
「私にとって特に問題はなく、ただ黙々と周回を重ねるだけでした。レース序盤に接触事故があってからはステアリングホイールさえ真っ直ぐでない状態でした。

私達の919は最良の形ではありませんでしたが、走り続けてフィニッシュラインに届かせることができました。それが私達の成し遂げたことすべてです」。

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トヨタ陣営・佐藤俊男 TOYOTA GAZOO Racing代表
期待通りにならなかったレースでした。今回も表彰台に立てる様に全力を尽くしましたが、今日のTS050 HYBRIDは、アウディ勢の圧倒的な性能の前には速さが不十分でした。

今回のレースは、激闘を締めくくる最終戦でもあり、偉大なライバルとのお別れでもありました。3メーカーがLMP1-Hに参戦する最後のレースになってしまったのは、寂しい限りです。

これまで、WECの時代を切り開き、発展させて来たアウディチームの関係者の皆様には心から敬意を申し上げ、ドライバーズチャンピオンを獲得したポルシェ#2号車のドライバーには祝福を申し上げたいと思います。我々は来シーズンの準備に全力を傾け、再び上位争いを繰り広げるべく更に戦闘力を上げて帰って来たいと思います。

中嶋一貴
最初にポルシェ#2号車のドライバーと、1-2フィニッシュを果たしたアウディチームに祝福を送ります。今日の我々はペースの面でアウディには全く届かず、思いのほか、厳しいレースになってしまいました。TS050 HYBRIDの感触は良く、チームは良くやってくれたので、その点では満足のいくレースだったと思います。

アンソニー・デビッドソン
不満の残るレースとなってしまいました。全力で戦いましたが表彰台を争うには速さが足りませんでした。このような形でシーズンを終えることになるのは無念ではありますが、我々#5号車にとっては不運の続いた1年を最後まで戦い抜けたことは嬉しく思います。

最後の戦いを1-2で飾ったアウディチームと、チャンピオンを獲得したポルシェ#2号車のドライバーに祝福を送ります。シリーズのレベルの高さを物語る素晴らしい戦いぶりでした。

セバスチャン・ブエミ
シーズン最終戦を1-2フィニッシュで飾ったアウディチームに祝福を送ります。我々はこれまで何度もバーレーンで表彰台を争ってきましたが、今日はペースが及びませんでした。

チームメイトである#6号車のドライバーズタイトル争いを支援したかったのですが、この週末はそこまでには到りませんでした。

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小林可夢偉
WEC最後のレースを勝利で飾ったアウディチームと、タイトルを獲得したポルシェ#2号車のチームに祝福を送ります。我々はシーズンを通して彼らと素晴らしい戦いを繰り広げてきました。

しかし残念ながら最終戦の今日は我々の速さが及びませんでした。5位フィニッシュというのはやや残念なシーズン終幕で、十分な実力を発揮することが出来ませんでした。来年こそは更に力強くなって戻って来ます。

ステファン・サラザン
シーズン最終戦で表彰台を逃すことになったのは残念です。今日のTS050 HYBRIDは絶好調とは言えず、厳しいレースでした。アウディチームとポルシェの#2号車は素晴らしい仕事をしました。

今季の我々はメキシコ以降で速さを取り戻し、富士での優勝という最高の結果も得ました。チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれましたし、彼らと共に一年間のシーズンを過ごすことが出来ました。

マイク・コンウェイ
とても厳しい一日でした。我々は、ライバルと僅差でバトルが出来ると予想していましたが、それ以上に今日のアウディ勢は強力でした。タイトルを獲得したポルシェ#2号車を祝福します。

レースが終盤に近づくにつれ、フロントタイヤに多くのゴムが付着してしまい、グリップを失う結果となってしまいました。チームの今季の働きぶりは誇るべきもので、良いシーズンだったと思っています。

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2016 WEC Round 9 Bahrain
TS050 HYBRID #5号車
(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
決勝 : 4位 200周、ピットストップ6回、スターティンググリッド : 6番手、最速ラップ(1分42秒867)

TS050 HYBRID #6号車
(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)
決勝 : 5位 200周、ピットストップ6回、スターティンググリッド : 5番手、最速ラップ(1分43秒096)

第9戦 バーレーン6時間 決勝結果last-9-races-of-the-world-endurance-championship-wec-%c2%b7-bahrain-audi-r18-decorate-the-flowerway-withdrawing-as-a-top-monopoly20161121-28