PEUGEOT「プジョー308 Blue HDi & プジョー508 Blue HDi」試乗記


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プジョー、クリーンディーゼルモデル「BlueHDi」3モデルを日本市場初導入、気になる価格は299万円から、気になる走りは…

グループPSA(Groupe automobile PSA Peugeot Citroën、本社:フランス・パリ、CEO:カルロス・タバレス)傘下のプジョー・シトロエン・ジャポン株式会社 (本社:東京都渋谷区、 社長:クリストフ・プレヴォ)は去る7月12日、本国グループPSAが開発したクリーンディーゼル「BlueHDi」を搭載したモデル、「308 Allure BlueHDi」、「308 GT BlueHDi」、「508 GT BlueHDi」を、満を持して日本市場に投入した。

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なお今回、日本国内にてようやく初登場となった「BlueHDi」ユニットだが、本国並びに欧州市場では、既に2013年から導入されていた。

その特徴は、出力・トルク値で比肩するガソリンエンジンに対して、25%の燃料消費を実現しつつ、CO2の排出量を15%。窒素酸化物NOXを90%、粒子物質ことPMを99.9%除去すると云う日本の「ポスト新長期規制」に適合した低燃費かつ高性能エンジンであること。

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またそもそも、既にエンジン単体で累計生産台数に於いて100万台を突破しているベストセラーエンジンでもある。

しかも今日本国内への製品投入にあたって、車両販売価格については、299万円からと云う戦略的な価格設定となっており、そのパワーユニットの真の実力は、プジョープランド車のファンでなくても気になるところ。

そこで今回は、静岡県・御殿場周辺に於いて、そんなクリーンディーゼル「BlueHDi」搭載車の試乗機会を得たのでレポートしていく。

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まず最初に乗ったのは、最高出力133kW(180ps)/3,750rpm、最大トルク400Nm/2000rpmを発揮しながらも、欧州排出ガス基準である「ユーロ6」適合となった総排気量1997cc・直4DOHCターボ「BlueHDi」ユニット搭載の「508 GT BlueHDi 2.0L」だ。

試乗車は、渋めのアルタンスグレーのセダンスタイルに、グレーハーフレザーの内装を持ったシリーズの旗艦モデルにあたるもの。なお今登場の全車は、全てBlueHDiパワーユニットにアイシン製6速ATの「EAT6」を組み合わせており、これは下位の1.6リッターエンジンも共通である。

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さて1台目の「508 GT BlueHDi 2.0L」の車体サイズは、全長4830×全幅1828×全高1456mmで、ホイールベース2817mm。

欧州で云うところのDセグメントボディであるが、ドライビングポジションに座った際の見通の良い視界など、誇張するような車格感をあえて持たせておらず、かつインストルメント・パネル周りの操作スイッチなどのレイアウトも、奇をてらったところが一切ないこと等から、扱い易そうな印象を受ける。

また計器類は、精緻なデザインのメカニカルタイプであるから、ドイツ車などからの乗り換え組みにとっても、ドライバースシートに座った時、クルマの所有感という面で見劣りすると云うことはないだろう。

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ハンドルを握って早速、エンジンを始動すると、早くもディーゼル車両という先入観を打ち崩す程、静粛感が高い。

一方、駐車場で他の「508 GT BlueHDi 2.0L」が走っている様子を外から眺めていると、ディーゼルユニット搭載車特有のエンジン音が耳に入る。

しかし対象車に乗車してウインドウを完全に閉じている状態では、念入りな静音対策が施されているようで、ディーゼル車両に乗っている事を忘れさせてしまう程の静けさを実現している。

次にアンシン製6速ATのセレクターレバーを手前に引いてドライブレンジに入れ、そろりと走り出す。

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車両スペックによると、エンジントルクの最大出力値400Nmは、2000rpmから得られる事になっているが、実際には、静々と走り始めた段階からフラットなトルク感が続き、中高速域が近づくにつれ回転上昇の力強さが増す印象だ。

特に中速域以上では、180psのフルパワーが引き出せることから、ガソリンエンジンの様な吹き上がり感のある刺激的な走りが愉しめる。

またステアリング操作に対するフロントノーズの回頭性は、リニアで癖がない。もっと正確に云うと、操舵と同時にノーズがインへ向く訳だが、この操舵角度の入力具合と、ノーズが向くタイミングが実にダイレクトで過不足感がない。

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その実、決してシャープと云う訳ではないのだが、ドライバーの「曲がりたい意思」に対して、忠実に向きを変えていく。

この際、ターンイン時にしっかり向き変えを終えてしまえば、「BlueHDi」ユニットが発揮する厚いトルク特性も手伝い、後はアクセルワークだけで、面白いようにワインディングロードを流していける。

但しパワーユニットそのものは高回転域に於ける爆発的なパワー感を持たない。その分、実用速度領域を少し超える辺りでは発生トルクが分厚い。

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ゆえにカープの途中であえて再加速を行う際や、高速道路上で、「もうひと踏みしたい」という状況下でのピックアップ特性には優れていると云えるだろう。

対して、欠点と云えるもののひとつに、信号待ち等のストップ・ゴー時に於けるオルタネーターを使ったエンジンスタート機能がある。このユニットではエンジンを再始動時する際、その振動がドライバーに伝わり易いように感じられるのだ。

しかし、この感触は個々ドライバーがエンジンとの対話に対してどのようなスタンスを持っているかによって変わる。従って、同車に興味を持たれた向きは店頭等の試乗に於いて、その振動の具合を個々に確かめて貰いたい。

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次に乗ったのは、最高出力88kW(120ps)/3,500rpm、最大トルク300Nm/1,750rpmの1,560cc・直4SOHCターボディーゼルエンジンを搭載した「308 SW Allure 1.6L」である。車両サイズは、全長4585×全幅1805×全高1475mmで、ホイールベース2730mm。

同クラスの5 ドアハッチバック・ディーゼル輸入車としては、同社で初めて300万円を下回る価格設定としたクルマだ。

「BlueHDi」搭載シリーズ中、最もコストパフォーマンスに優れ、最量販モデルとしての役割を担うだろう同車。パワーユニットの洗練度では、先の「508 GT BlueHDi 2.0L」以上の驚きが隠されていた。

と云うのは、走り出した時の静粛性やフラットなトルク感、中速回転域が近づくにつれ回転上昇の力強さが増す全体の印象こそ同一ながら、こちらのSOHCターボディーゼルエンジンは、そのエンジンピックアップの軽やかさが特筆に値する程、洗練されていると感じたからだ。

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そのフィーリングは走行状態に於いて、もはやディーゼルエンジンであることを完全に忘却させる勢い。最も本領発揮する場面は中高速域である。

速度が高まってくると、トルク感たっぷりの印象から良い意味で様変わりする。まず最初がやや細めながらも、フラットなトルク特性を持っていることに関しては2.0リッターエンジンと同一でありながら、エンジンが高回転域に近づくにつれて回転上昇の勢いが増し、一段と弾みが付いてくる。

併せて、このエンジンの元気良さを浮き立たせるのが、308独特のステアリングの操舵感とフットワークにある。このクルマ独自の小径気味のステアリング操作に対するノーズの入り具合は、リニア感を超えて、シャープな切れ味を持つ。

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おかげで山間部のコースでは、アンダーステア知らずで走りきれる。具体的にはターンインの時に、ブレーキを踏み続けるなどの不安定要因を積極的に排除していけば、急にフロントが切れ込んだり、リアが外に出ていくと云うような恐い思いをすることもなく、ディーゼルらしからぬ澱みのない出力特性を利用したスロットルワークで車体の挙動を安定させられる。

なおインストルメント・パネルは、同社が「i-Cockpit」と呼ぶ操作系デザインが用いられており、前面左側が速度、右側が回転計という他車ではあまり見られない配置の2眼メーターが並ぶ。

さらにダッシュボード中央には大型モニターをビルトイン。そこから視線を下ろした所にコマンドコントローラーなどが並ぶ。またミッションのセレクター脇のスポーツモードを選ぶことで、迫力あるエグゾーストサウンドをドライバーに対してのみ演出させることも可能だ。

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そして最後に乗ったのは、同じく308ボディの「308 GT BlueHDi 2.0L」。先の1.6L ディーゼルエンジンと、308シリーズの車体のバランスが絶妙だっただけに、2.0Lエンジンの搭載車の感触に、一抹の心配があったのだが、実際には、その心配は危惧に終わった。

ちなみに一般論では、同一ディメンションを持つボディに異なるパワーや排気量のエンジンを載せる場合、そもそも対象となる該当「エンジンの外寸」が異なる事。

さらにエンジンルームへパワーユニットを組み込む際、搭載位置設定が難しく、過去の多くの事例では、クルマの要と云える操縦安定性自体に大きな影響を与えるものも多く見られる。

従って1.6Lエンジン搭載車と、2.0Lエンジン搭載車が、同一ボディで全く同じ操縦性を成立させることは、本来とても難しいのだ。

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しかしこの「308 GT BlueHDi 2.0L」の場合、1.6L車両に近い回頭性が実現されている。厳密には、鼻先に多少の重み感はあるものの、それを補って、ねじ伏せるような分厚いトルクと豪快なパワー感が、2.0Lエンジン搭載車の魅力となっている。

但し搭載エンジンが異なる事による「308 GT BlueHDi 2.0L」と「308 SW Allure 1.6L」それぞれの魅力は、車両価格が高い方が一方的に優れていると云うようなステレオタイプの切り分けが出来ない。

それゆえに「PEUGEOT 308 GT BlueHDi 2.0L」と「PEUGEOT 308 SW Allure 1.6L」など搭載エンジンが異なる場合の車両選択は、必ず双方のエンジン搭載車をじっくり試乗して、自身にベストなクルマを探し出して欲しい。(坂上 賢治)

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【試乗車の価格およびスペック】
308 Allure BlueHDi
右ハンドル / 5ドアハッチバック
排気量:1,560cc / ディーゼルエンジン
トランスミッション:6AT
車両本体価格(消費税込):2,990,000 円

308 SW Allure BlueHDi
右ハンドル /ステーションワゴン
排気量:1,560cc / ディーゼル
6ATトランスミッション
車両本体価格(消費税込):3,238,000 円

308 GT BlueHDi
右ハンドル / 5ドア ハッチバック
排気量:1,997cc / ディーゼル
トランスミッション:6AT
車両本体価格(消費税込):3,540,000 円

308 SW GT BlueHDi
右ハンドル / ステーションワゴン
排気量:1,997 / ディーゼル
トランスミッション:6AT
車両本体価格(消費税込):3,788,000 円

508 GT BlueHDi
右ハンドル / 4 ドア セダン
排気量:1,997 / ディーゼル
トランスミッション:6AT
車両本体価格(消費税込):4,340,000 円

508 SW GT BlueHDi
右ハンドル / ステーションワゴン
排気量:1,997 ディーゼル
トランスミッション:6AT
車両本体価格(消費税込):4,640,000 円
※ペイントオプション代は含まず

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<2.0L BlueHDi エンジン(DW10型)>
パワフルな動力性能がBlueHDi 2.0Lの魅力。308GTと508GTに搭載する2.0Lエンジンは、今導入ラインナップ中最もパワフル。

エンジン単体でEURO5バージョンに対し約7kgの軽量化を実現し、摩擦を軽減する低粘度のオイルを使用。ピストンピンにダイアモンドライクコーティングを施す等、効率化とフリクションロスの低減を実現した。

最高出力は133kW(180ps)/3,750rpm、最大トルクは400Nm/2,000rpm を発生。

1.6Lガソリンエンジンと比べパワーは+9%、トルクは+67%向上させた。加えてバランサーシャフトを採用し、振動、静粛性への対策を図っている。

<2.0L BlueHDi>
308 GT BlueHDi 燃費:20.1km/L (+11%)*
508 GT BlueHDi 燃費:18.0km/L (+32%)*
* ベースのガソリンエンジンとの比較

<1.6L BlueHDi エンジン(DV6型)>
1.6L ディーゼルエンジンは、アルミ製シリンダーヘッド&ブロック等の組み合わせにより、先代のディーゼルエンジンよりも約 4kgの軽量化を実現した。

また新しいピストンリング&ライナーに低粘度のエンジンオイルを組み合わせて摩擦を低減、可変出力オイルポンプや冷却システム用サーモスタットのセッティングを最適化した。

これにより、最高出力 88kW(120ps)/3,500rpm、最大トルクは300Nm/1,750rpm を発生し、同時に 21.0km/L というクラストップレベルの燃費性能を持つ。

<1.6L BlueHDi>
308Allure BlueHDi 燃費:21.0km/L (+16%)*
* ベースのガソリンエンジンとの比較

トランスミッションEAT 6 (Efficient Automatic Transmission)
208、308への搭載で高評価を受けている第3世代の6速オートマチックトランスミッション。

トルクフルなBlueHDiとの相性がよく、クイックかつスムーズなシフトチェンジを可能にする。ギヤレシオは、既存比よりハイギヤード化。同一速度域でのエンジン回転を下げ、クラッチのロックアップ領域を拡大、トルクコンバーターのスリップロスを低減させた。

さらに、ミッション全体のフリクションロスも低減し、マニュアルトランスミッションと近似のエネルギー伝達効率を追求している。

なおプジョー・ディーラーネットワークでは、来たる9月3日(土) ~11日(日)に、「PEUGEOT BlueHDi デビューフェア」を実施していく。また下記、特設サイトなどから8月14日までの応募で抽選により、「308 Allure BlueHDi」が対象者1名に進呈されるメールニュース登録キャンペーンが実施されている。

PEUGEOT BlueHDi特設サイト
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