4年の歳月を掛けたロールス・ロイス「スウェプテイル」、伊国コモ湖畔のヴィラ・デステで公開される

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ロールス・ロイス、特定の顧客の夢を叶えるためだけのビスポークモデル「Sweptail(スウェプテイル)」を初披露

ロールス・ロイス・モーター・カーズ(本社:英ウェスト・サセックス州グッドウッド、CEO:トルステン・ミュラー・エトヴェシュ)は昨年、世界に向けて未来のヴィジョン・モデル「103EX」を発表した…。

このクルマで同社は、コーチビルディングというブランドの伝統を生かし、同社が想像しうる未来のパーソナルモビリティの姿を提案した。

あのコンセプト・モデルは、「すべてのロールス・ロイスオーナーの思い描くイメージや、希望・夢を原動力に、新しいテクノロジーによって未来のロールス・ロイスを造り上げると、どうなるのか」という質問に対する解答であった。

しかし、コーチビルドされた未来のヴィジョン・モデル「103EX」は、とあるロールス・ロイス愛好家にとって満足のできる回答ではなかったようだ。

そのような、クルマに対する拘りを持ち続ける特別なオーナー達に対して、現在のロールス・ロイスでは、私的で、他の誰でもない、ただひとり、そのオーナーのために丹精を込めて「欲しいクルマ」を仕立て上げる「ビスポーク」というオリジナル車両のオーダーシステムが存在する。

そこで彼は、ある日「自身が欲しい二人乗りのロールス・ロイスはこれである」、という答えを携え、ロールス・ロイスの扉を叩いた。

そのクルマこそが今日、1568年に貴族の屋敷として建築され、イタリアが近代的な国家になった頃に開放されたイタリア・コモ湖畔の超高級ホテル「ヴィラ・デステ」に於いて披露されたSweptail(スウェプテイル)である。

かつての1920年代に幾つか存在したロールス・ ロイス社の習作「swept-tail(スウェプト・テイル)」モデルを、心より愛するこのクライアントは、ロールス・ロイスに対して、彼のためだけの一台限りのワン・オフモデルを現代に蘇らせることを要請したのである。

そして4年の歳月が流れた2017年5月27日(土曜日)、ヴィラ・デステのコンコルソ・デレガンツァに於いて、ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者のトルステン・ミュラー・エトヴェシュ氏はメディアを前に、一台のビスポークモデルを発表した。

壇上に立った同エトヴェシュ氏は、「この度発表した『Sweptail』は、旅先のロマンスを華やかに演出し、ロールス・ロイスが世界屈指のインターコンチネンタル・ツアラーであることを示しています。

また世界をリードするコーチビルダーとしてのロールス・ロイスは、高級ブランドとしてのアイデンティティの中核を成すものです。これを踏まえ昨年、我々が発表した『103EX』は、コーチビルダーとしてのロールス・ロイスが提案した未来であったのです。

併せて、今発表のビスポークモデル『Sweptail』は、ロールス・ロイスがまた、コーチビルディングの分野に於いても頂点に君臨していることを証明しています」と述べた。

一方、ロールス・ロイス・モーター・カーズのデザイン・ディレクターであるジャイルズ・テイラー氏は、「今回『Sweptail』をテーマに、ロールス・ロイスのビジョンをいかに具現化するかに腐心しました。

『Sweptail』は、まさに現代のオートクチュールの自動車と言えるでしょう。これは、特定のお客様に合わせてデザインされた特別仕立てのロールス・ロイスです。

お客様が、ロールス・ロイスにアイデアを持って訪れ、次に創造的プロセスで、私どもがお客様の衣装についてアイデアを共有しながらアドバイスを差し上げ、その後、お客様の衣装を仕立てます。それはまさしく、私たちがお客様の評価を決める服装のための布を切ったのだと言えるのかもしれません。

そのお客様は、具体的に1920年代から1930年代にコーチビルドされたロールス・ロイスの美しさに触発され、大きなパノラマ・ガラス・ルーフを備えた2人乗りクーペを望まれました。

以来4年間、私とロールス・ロイスのデザイナー・チームは、お客様と一緒に、そのクルマ造りの作業の中で、素晴らしいアイデアの旅を経験してきました。そして、その結果が、実にユニークなロールス・ロイス『Sweptail』となったのです。

しかし一方でこの『Sweptail』は、紛れもなくロールス・ロイスそのものであり、ブランドの遺伝子によって生まれたものです。

その証拠は、何よりもまず、ロールス・ロイスの象徴であるパンテオン・グリルにあります。この大きなグリルは、アルミニウム・ブロックから削り出された後、手作業で鏡面加工が施されたものです。

またそのグリルを中心に『Sweptail』のフロント・フェイスは、その周囲をブラッシュド・アルミニウムで飾られています。そのフロントマスクを眺めながら側面に回ると、ユニークなキャラクターラインが走り、そのボディラインは、しなやかでエレガントなフォルムへと移り変わります。

フロントガラス先端から続くルーフラインは、リヤ・エンドへ向かうにつれてスピード感を増しながら、ボディの長さを強調するようにトランク・リッドの端を乗り越えています。

対してリヤ・エンドを締めくくるグラマラスなクー・デ・グラース(coup de gras)は、傾斜のあるヨットの船尾のようでもあり、まさにクライアントに閃きをもたらしたレーシング・ヨットの世界への究極のオマージュとなっています。

また真後ろから見ると、絞り込まれたような後部のテーパーはフロント・エンドと強い対照をなし、ドラマチックなロールス・ロイス・クーペの全く新しいイメージを形作っています。

リヤ・エンドには、認識票であり登録番号も兼ねるバッジとして、 アルミニウム・インゴットから削り・磨かれた『08』の二つの数字が配されています。

クリーンで気高さを感じさせるボディワークをサイドから見ると、長く伸びるサイド・ウィンドウと、パノラマ・ガラス・ルーフから差し込む陽光が、手作業で念入りに仕立てられたインテリアを輝かせ、そこに並ぶ二人の高貴な乗員を浮かび上がらせます。

そして、広大なウィンドウとルーフを通して流れ去る世界を眺めるインテリアスペースは、シンプルさとミニマリズムの哲学によって構成する要素を吟味し、微細な乱れさえも取り除きます。

乗員の頭上にはパサレル(Passarelle)と名付けられた装備があり、ウインドスクリーン後端からインテリアを包み込むようにハット・シェルフまで流れて、ティアドロップ・フォルムを形成しています。

なお手作業で組み立てられた3つの計器盤はチタン製です。 そして最後に、二つの驚きと歓喜の機能が『Sweptail』の中に仕込まれています。

外側からコーチ・ドアを手前に開けると、ボディの左右開口部の側面には、ボタンを押すだけで展開する手作りのアタッシュ・ケースが入った特徴的なパニエが二つ隠されているのです。このアタッシュ・ケースは、ロールス・ロイスのビスポークが「Sweptail」専用に開発したラゲッジ・セットと対になっています。

そしてこの一台限りのビズポークモデルの締めくくりは、クライアントのお気に入りのビンテージ・シャンパンのボトルと、2つのクリスタル製シャンパン・フルートが収納できる特注の仕掛けが組み込まれているところにあります。

今回、特別なお客様のための仕立て上げられた『Sweptail』は、素材の表面処理から手作業による高い品質造りなど、まさしくこれらはロールス・ロイスの手仕事であり、他に類を見ない私たちのブランドだけが成しえる証でもあるのです」と語っている。