VW、2025年迄に年3百万台のEVを販売。地域企業との低価格車開発、ライドシェア投資も拡充へ

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フォルクスワーゲンAG、新グループ戦略を打ち立て、世界を牽引するモビリティ・プロバイダーのリーダーを目指す

独フォルクスワーゲン AG(本社:ドイツ・ニーダーザクセン州ヴォルフスブルク、グループCEO:マティアス・ミューラー、以降VW)は、各国エリアで世界を牽引する他の巨大自動車グループと同じく、大きく激変するクルマ社会の未来を見据えつつ、今日を上回る事業グループの成功を模索している。

そのためには、現時点に於いて持続可能な未来のモビリティ環境を見定め・下支えし、世界を牽引するプロバイダーになること。それを目標に、変革を成し遂げられるだけの企業の未来像を具体化していく必要がある。

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そこで、上記目標を達成するため、先の6月16日、独・ウォルフスブルグに於ける同社取締役会に於いて、監査役会の承認を得て、近未来の目標を具体化させた新プログラム「TOGETHER – Strategy2025」を採択した。

「TOGETHER – Strategy 2025」は、事業の潜在収益に焦点を当て、VW史上最大の変化プロセスを主導させるもの

今回、打ち出され・採択された同プログラムの実行により、VWグループは、同社創業以来最大の変革期に突入する。

そんな同社の新事業戦略は、将来に向け、長期的に収益性の高い成長を維持し続けるための「選択と集中」で構成されている。

具体的には、「自動車事業の変革」、「新モビリティ事業の構築」、「技術力の革新と強化策」、「会社内企業家としてのアプローチ手段」について詳しく語られている。

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同社CEOのマティアス ミュラー氏は、「フォルクスワーゲンは、グループ傘下のブランドと製品によって、世界中の何百万人もの人々の生活を豊かにしています。

そんな私たちが、未来を見据えて目指して行くべき目標は、現在の我が社の役割を継続させつつも、次世代のモビリティ社会実現に向けて、引き続き当社が、世界レベルで主導的な役割を果たしていく事にあります。

これを実現するには、先のディーゼル案件による深刻な業績後退
などの過去の失敗から学び、欠点を修正し、オープンな企業文化を築き、モビリティ事業に対する真摯な誠実さと、新たな企業価値を市場に対して着実に根付かせせていく必要があります」と語り、新戦略の指針を示すプレゼンテーションを自らで行った。

 

今後数か月にわたって、詳細な内容が徐々に公表され、各グループ ブランドにおける個別の戦略が明らかになる

続けてマティアス ミュラー氏は、「今回示唆した”TOGETHER – Strategy2025″を介して、我々フォルクスワーゲングループは、事業に於いて、より焦点を絞った効率性を追求。

併せて革新的かつ、お客様対して長期的な価値を創出し続けられる事業を目指します。

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具体的にフォルクスワーゲンは、より魅力的で、最も速い成長を遂げているマーケットに焦点を当てて、車両開発を最適化します。

さらに、現在グループが抱える約340もの異なるモデルバリエー
ションを、地域マーケットとお客様のニーズを考慮に入れながらも、収益性の高いものに体系的に見直して行く予定です。

この目標は、社会と環境に対する私たちの責任を、自らが充分に認識した上で、お客様、株主、ビジネスパートナーのために、弊社の従業員達が一致協力した時にのみ実現することができるのです」と、ミュラー氏はたたみ掛けた。

 

中核事業では焦点を絞り、持続可能なグループに収斂させ、収益性向上が自在な柔軟性ある事業体質への変化を目指す

併せてフォルクスワーゲン グループは、今後も乗用車および商用車セグメントに注力するという方針を明確にした。

そのひとつである、スカニア、MAN、フォルクスワーゲン商用車ブランドは、一致団結して商用車事業の世界トップを目指す戦略目標を互いに再確認させる。

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併せて、フォルクスワーゲントラック&バスは、マルチブランド・プロバイダーとして、世界の全主要地域における大きなプレゼンスを確保することによって、セクター内で最も収益性の高い企業になることを目指す。

そのためには、新たなビジネスモデルの構築が重要な役割を果たす。その具体的な目標は、現在の純粋な商用車メーカーという立ち位置から、インテリジェントな輸送ソリューション プロバイダーへと、事業構造を変化させる必要があるとする。

具体的には、フォルクスワーゲンの再編戦略の下で、ファイナンシャル サービス部門も商用車部門の重要な収益源となり、ブランド成功の柱となることを目指す。

同社CEO マティアス ミュラーは、「フォルクスワーゲン グループの事業の本質は、関連するファイナンシャル サービスを含めて、自動車を開発、製造、販売することであり、今後もそれは変わりません。

しかしながら、私たちが今日から始める変革は、中期的に、そして長期的に弊社が自動車業界を牽引するプレーヤーであり続けるため、私たちの中核事業を永久的に変化させるものとならなければなりません」と語った。

 

来る2025年までに30車種以上の新EVを導入。年間 200~300 万台の販売目標を目指す。

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同社の事業中、最もレガシーな、車両およびドライブトレイン事業に関しては、その焦点が「e モビリティ」に向けられている。

VWグループは、複数の傘下企業に於いて、同分野に関わる幅広い取り組みを具体化させており、今後10年間で、30車種以上のバッテリーで駆動する純粋な電気自動車(BEV)を導入する。

フォルクスワーゲンでは、この新パワーユニット搭載車両が、世界の乗用車市場の約 25%を占めるようになると見積もっており、フォルクスワーゲン グループは、グループの BEVの販売台数が、2025 年に年間200~300万台になると予測している。

併せてこれは、その時点におけるグループの総販売台数の約 20~25%に相当するだろうと記している。

また、フォルクスワーゲンは、事業の収益性を向上させるという取り組みの中で、モジュラー構造の見直しおよび合理化を実施。

これにより開発/生産の複雑さを軽減し、効率を高めることによって、システムの経済的メリットをより有効に活用できるようになると語っている。

 

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地域メーカーと協力してエコノミー セグメント参入する。既に具体的な交渉も進行中

他方、一部の成長市場に於いて既に開始されている地域的な戦略に関しては、当面、継続される。

例えば、北米向けに発表されている事業拡大と投資計画、中国における継続的な拡張プログラムについては、今後も実施されていく。

これに関連して、フォルクスワーゲン グループは、地域のメーカーと協力して、エコノミー セグメント(例えば、特にアジアなどで見られる魅了的な価格のエントリーレベル製品から構成されるセグメント)に参入することを表面化させいおり、事実、同件に関しては、既に具体的な交渉が進行中であると云う。

現段階に於いて、中核的な自動車事業を、未来の環境に向けて変革させていくためのもう一つの手段は、同社にとって未知の新しい能力を開発することにある。

これについては、自動運転や人工知能といった未来のトピックに対応するために必要な人材を、独自に育成することを目指す。

この分野に関する目標は、2020 年までに社内開発した競争力のある自動運転システム(SDS= Self Driving System)をリリースすることにある。

 

コンポーネント事業の再編を促し、バッテリー技術、デジタル化、自動運転を新たなグループ事業の柱へ据える

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これと併せて、今後数年間にわたって急増するであろう電気自動車の販売台数を考慮して、フォルクスワーゲン グループは新しい事業の柱として、バッテリー技術の開発にも着手する。

このバッテリー事業への参入及び、バッテリー技術の蓄積は、潜在的な収益源としてのグループ事業の柱に打ちた立て行くため、現在慎重な検討が行われている。

現時点で最も大きな事業規模を持つ上記の中核事業を変革するためには、グループ内に於いて企業家としての考え方とアプローチを体系的に推進することも必要となると云う。

現在、同社グループ下では各ブランドに於けるモデルラインアップの見直しが行われているが、この見直しの主な目的は、現在、世界26か所で、約67,000人の従業員を抱えるコンポーネント事業を新たに再編させる事にある。

フォルクスワーゲン グループでは、こうしたコンポーネント事業を再編することによって、競争力と効率が高まり、将来的な分野におけるe モビリティ事業の成長に大きな貢献を果たすのだと云う。

 

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これまで以上にパートナーシップ構築、買収、VC投資に重点を置き、モビリティ サービスの成長を牽引させていく

「TOGETHER – Strategy 2025」では、中核事業の変革と平行して、ブランドを超えたモビリティビジネスの構築も重要な要素として掲げている。

その一例を挙げると、近年社会に対して広く認識されつつあるライドシェア(例えば、オンデマンド モビリティ サービス)もそのひとつ。

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こうした例を踏まえ、顧客の要望に合ったサービスを提供するべく新事業の構築および買収にも積極的な姿勢を見せている。

ロボタクシー、カーシェアリング、オンデマンド トランスポートといったその他のサービスは、この中核事業の周りにグループ化される計画だ。

フォルクスワーゲン グループは、オンデマンド モビリティ企業で
ある Gett との戦略的パートナーシップに投資することによって、5 月末にこのライドシェア セグメントへの最初の一歩を既に踏み出している。

フォルクスワーゲンは、この急速に拡大するマーケットに於いて、同モビリティ事業が、2025 年までに数十億規模の売上高を計上すると目論んでいる。

そのためにもグループは、現在配する全てのエリアおよびブランドに於いて、ハードウエアのデジタル化を推進する。

同時に、フォルクスワーゲンは、これまで以上にパートナーシップの構築、買収、ベンチャーキャピタルへの投資に重点を置く。また将来的に投資対象は、グループおよびブランドの価値を最大限に高めるように、一元的に管理していく。

 

新たな能力開発を通してグループ目標を達成する鍵は、VWブランドの収益性と効率性の向上にある

「Strategy 2025」におけるグループ全体の将来的な投資金額は、100 億ユーロを超える規模になると云う。

一方で、この莫大な投資資金を確保するため、すべての部門および役割範囲を超えて、業務効率を大幅に高める必要がある。

この取り組みは、製品開発から部品調達、生産から流通に至るまで、自動車事業のバリューチェーン全体に適用していく。

より具体的には、フォルクスワーゲン グループは自動車事業の売上高に対する設備投資比率を2025年までに6.0%にすることを目指す。

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研究開発費の効率も大幅に向上させ、売上高に対する研究開発費の割合も6.0%に削減する。さらに近年大幅に増加している、売上高に対する販売および一般管理費の割合も12%以下に削減させる計画だ。

全体として、フォルクスワーゲングループは、2015会計年度の数値と比較して、収益を大幅に改善するために、リソースをより効率的に活用させていきたい意向だ。このため今回の新しい指針「Strategy 2025」に合わせて、財務目標も変更された。

 

来る2025 年迄にグループの営業利益率 7~8%、自動車部門に於ける資本収益率15%以上を目指す

これについて最高財務責任者(CFO)のフランク ヴィッター氏は、「収益性を向上させるために体系的な取り組みを行う。その目標に従って、収益力に大きな焦点を当てています。

今後数年間にわたり、強固な財務基盤に基づいて、株主のための価値を継続的に創出するために、我々経営陣は、できる限りのことを行います。

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具体的には、2015 年におけるグループの特別項目計上前の営業利益率 6%を、2025 年までに 7~8%の間に引き上げることを目標としています。

そして自動車部門の資本収益率は、15%以上を目指します。株主に対する配当性向は、純利益の約 30%に維持されます」と説明する。

最後に同社CEO マティアス ミュラー氏は、「未来のフォルクスワーゲンは、魅力的な車、ニーズに合った金融サービス、スマートなモビリティ ソリューションをお客様にご提供します。

私たちは、テクノロジー リーダーとなり、環境、安全、誠実さにおけるロールモデルとなります。

グループは、競争力のある収益性を実現し、魅力的な投資対象であると同時に、安心で信頼できる優れた雇用者であり続けます。

つまり、フォルクスワーゲンは、私たち経営陣だけなく、当社に関わる全てのステークスホルダーの誰もが誇れる企業になることを目指して行くのです」と締めくくった。