フォルクスワーゲン、グループ傘下に新しいオンデマンドモビリティ会社「MOIA(モイア)」を設立


独フォルクスワーゲン AG(本社:ドイツ・ニーダーザクセン州ヴォルフスブルク、グループCEO:マティアス・ミューラー、以降VW) グループは12月5日(欧州中央時間)、ロンドンで開催されたテクノロジーイベント「Tech CrunchDisrupt」に於いて、新しいオンデマンド型モビリティサービスを提供する新会社を設立したと発表した。

MOIA(モイア)と命名されたこの会社を通して、フォルクスワーゲン グループは、持続可能なモビリティにおいて世界有数のプロバイダーになるための変革を進めて行く方針を打ち出した。

フォルクスワーゲン グループ最高経営責任者(CEO)のマティアス ミューラーは、「MOIA を設立した狙いは、モビリティの新たな形をより深く理解すること、そしてより包括的で、お客様の多様なニーズにより最適化したサービスを提供することです。

将来、必ずしも人々が自家用車を所有することがなくなったとしても、MOIA により、皆様が何らかの形で、我々のお客様となっていただける可能性が広がります。

自動車産業界は今、急激な変革の時代を迎えています。従来の自動車ビジネスに加え、革新的なデジタルネットワークを活用した新しいモビリティサービスが、今後重要な成長分野になっていくことは確実です。

MOIA によって、フォルクスワーゲンは、グループ全体、つまり全ブランドにわたり、今後のモビリティ世界における持続的な成功に必要な基盤を構築します。

さらに、フォルクスワーゲン グループは、2025 年までにこの新しい事業が、グループ全体の売上高に本格的に貢献できることを目指しています」とその設立の意図と、将来への役割を説明した。

 MOIAは、ベルリンに本社を置く独立企業

またMOIAの最高経営責任者(CEO)となったオレ ハルムス氏は、「MOIA は、フォルクスワーゲン グループ傘下の独立企業であり、独自に、もしくは自治体や既存の交通機関と協力しながら新しいモビリティサービスを開発し、販売しようとしています。

同時に、グループ内の各ブランドは、独自のサービスを発展させる取り組みを続けていきます。

我々が目標とするのは、中期的に、モビリティサービスの分野で世界有数のプレイヤーになることです。

その目標を実現するために、我々は最高の人材と先端テクノロジーの新興企業を取り込もうとしています。

ベルリンに本社を置く MOIA は、当初約 50 人のチームでスタートし、2017 年末までに、スタッフを大幅に増員する予定です。

ベルリンは、我々が新しい事業活動を展開する上で必要としている創造的な人材や新興企業が存在する国際都市であるため、MOIA のような未来志向で革新的な企業の本拠地として最適な場所です。

MOIA を通じて我々は、シリコンバレー以外の場所でも、モビリティに関する革新的なソリューションの開発が可能であることを証明したいと思っています。

Quotation:TechCrunch
 

MOIAは自動車と新しいモビリティの世界をつなぐ

またMOIA にとって、ドイツにおけるもう一つの重要な場所がハンブルク市です。

今年の秋に、フォルクスワーゲン グループとハンブルク市は、市内の交通をより環境に優しく、安全で、しかもより信頼できて効率的なものにするための、3 年間にわたる戦略的モビリティ パートナーシップに合意しました。

このパートナーシップを通じて得られる成果は、ヨーロッパにおける今後の MOIA プロジェクトに反映されていくことになります。

さらに、MOIA は、フォルクスワーゲン グループの一員として、グループ内の 12 ブランドの強力な商品力、技術革新力及びインフラも活用することができます」と新会社のポテンシャルについて詳しく語った。

そんなMOIA の経営陣を構成するのは、オレ ハルムス氏(最高経営責任者:CEO)と Dr. フランク ディルガー氏(最高財務責任者:CFO)、および 2017 年 1 月 1 日付で最高執行責任者(COO)に就任する予定のローベルト ヘンリッヒ氏である。

さらにフォルクスワーゲン AG でグループ戦略を統括するトーマス セドラン氏が会長を務める諮問委員会が、MOIA の経営陣をサポートしていく。

世界各地の交通状況に合わせたソリューションを提供

そのトーマス セドラン氏は、「お客様のニーズの変化に合わせて、自動車のビジネスモデルも変化します。

世界の主要な大都市圏内では、自動車を実際に所有することからシェアする、もしくはオンデマンドで利用するといった方向へと、明確なトレンドが生まれています。

フォルクスワーゲン グループが、この分野においても世界有数のプロバイダーとしての地位を確保するため、「TOGETHER – Strategy 2025」において新しいモビリティ ソリューションとデジタルサービスを中核事業と定めているのは、このような理由によるものです。

こうしたことを踏まえてMOIA が目標とするのは、すべての人々のためのインディビデュアル モビリティを提供することです。

それは、ボタン一つで利用可能で、手頃な価格で、車両を所有する必要のないような高い利便性を備えたサービスです。

MOIA をスタートさせるにあたって、最も有望と思われる事業は、アプリを使用する配車サービス(ライドヘイリング)であろうと考えます」と述べた。

2025年までにモビリティサービス プロバイダーの主導的地位を目指す

対してCEOのオレ ハルムス氏は、「フォルクスワーゲン グループは既に、世界有数の配車サービスプロバイダーである Gett(ゲット)に出資することで、この新しいモビリティコンセプトへの参画を果たしています。

Gett のアプリユーザーは、既に世界の 100 を超える都市で、オンデマンドでの移動、配達、物流サービスの即時予約を行えるようになっています。

Gett とともに、我々はヨーロッパで、明確に定義された拡大戦略を進めようとしています。

つい最近、グループの 3 つのブランドが、成長著しい市場であるモスクワで、最初の共同プログラムとして、Gett ドライバーのための魅力的な車両パッケージの提供を始めました。

同様のサービスを、他の市場でも近々開始する予定です」と語り、さらに「同時に、MOIA は、2 番目の重要な分野であるプーリング(相乗り)ビジネスにも着手しようとしています。

目標は、「コネクテッド コミューティング」という呼び方でも知られる、アプリを介してのオンデマンド プーリングサービスを独自に立ち上げることです。

それにより、各個人の車両および公共交通機関を使っての移動をより効率的にして、不要な移動を減らし、既存の道路インフラの利用を最適化するという、交通問題全体のソリューションの実現を目指しています。

このアプローチは、エリアの境界線を越える移動に焦点を当てています。この分野の最初のパイロットプロジェクトは、2017 年に開始される予定です」と当面の活動計画について語っている。