JFEスチール、国内業界初の自動車用ハイテンを『JEFORMA』としてシリーズ化


冷延鋼板・合金化溶融亜鉛めっき鋼板の開発ラインが自動車用高加工性高強度鋼板として完成へ

JFE(ジェイ エフ イー)スチール株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柿木厚司)は、国内業界で初めて自動車部品用の高い加工性を有する高強度鋼板(以下、「ハイテン」)を『JEFORMA』(JFE Excellent FORMAbility)としてシリーズ化した。

昨今、自動車に使用される鋼板は、燃費や車体の安全性を向上させるため、高強度化が求められているなか、従来はDP型(※1)やマルテンサイト単相型(※2)の汎用ハイテンが強度が求められる自動車部品に使用されていた。

しかし鋼板を高強度化すると、一般的に伸びや伸びフランジ性(※3)などの加工性が下がるという課題があり、適用可能な部品が制限される場合があった。

(※1)DP型:
Dual Phase。軟らかく加工性の良好なフェライトと、硬いマルテンサイトの二相複合組織鋼のこと。降伏比(降伏強度/引張強さ)が低く、伸びが高いことを特徴とする鋼。

(※2)マルテンサイト単相型:
炭素鋼を高温から焼入れることで得られる、非常に硬い組織よりなる鋼。一般的に伸びは低い。

(※3)伸びフランジ性:
プレス成形などにおいて、ブランクの最外周端が引っ張られて伸ばされる際の、鋼板の変形能のこと。穴広げ率(JIS Z 2256)により評価される。

そこで同社は、適用する部品の形状や加工方法に応じた最適な鋼板を提供するため、冷延鋼板および合金化溶融亜鉛めっき(GA)鋼板の各強度グレード・加工性2関して開発を進めた結果、製品ラインナップが揃えることに成功。これを『JEFORMA』としてシリーズ化した。

【図1】『JEFORMA』のラインナップ一覧表

『JEFORMA』シリーズは、従来の汎用鋼板よりも、伸びの高いType1【高El型】、伸びおよび伸びフランジ性が高いType2【高El-高λ型】、高El型よりさらに伸びが高いType3【超高El型・TRIP鋼(※4)】の3タイプで、それぞれ590~1180MPa級までラインアップしている。

(※4)TRIP鋼:
Transformation Induced Plasticity(変態誘起塑性)。残留オーステナイト組織を活用し、伸びが非常に高いことを特徴とする鋼。

例えば、センターピラー部品の下部は袋形状をしており、素材となる鋼板には張出し成形性が必要としている。しかし従来の鋼板では成形ができないのに対し、980GAType2【高El型】では、きれいにプレス成形することができる。

また、センターピラー上部のフランジ部は、厳しい伸びフランジ成形が求められるにも関わらず、590GAType2【高El-高λ型】では、割れることなく加工が可能としている。

【図1】センターピラー下部

【図2】センターピラー上部

JFEスチールでは、「高加工性ハイテンだけでなく、その利用技術の開発にも注力しております。

今後も高いレベルで蓄積された材料技術・車体設計技術・成形/組立技術で、お客様のニーズに合ったソリューションを、EVI(Early Vendor Involvement)活動などを通じ、トータル提案し最先端の車体開発に貢献してまいります」と述べている。

高加工性高強度冷延鋼板シリーズ(冷延)
 

高加工性高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板シリーズ(GA)