LINEとトヨタ自動車、「AI」+「コネクティッドカー」で協業へ


LINEが提供する「Clova」と、トヨタが推進する「SDL」を活用。協業基本合意書締結に伴うコネクティッドカーサービス連携を模索

LINE株式会社(本社 : 東京都新宿区、代表取締役社長 : 出澤 剛、以下LINE)と、トヨタ自動車株式会社(本社 : 愛知県豊田市、代表取締役社長 : 豊田 章男、以下トヨタ)は、コネクティッドカーサービスで協業基本合意書の締結を取り交わした。

これは昨年来より、LINEが開発を進めているクラウドAIプラットフォーム「Clova」と、トヨタをはじめとする自動車メーカーによりアライアンス各社が推進する車載機器と、スマートフォンアプリ、並びにタブレットアプリとの連携規格「Smart Device Link(以下「SDL」)」を活用したインフラとの協業の可能性を検討するというもの。この目的に伴い両社は、協業基本合意書を締結した。

まずLINEの方は、先の2017年3月2日にスペインのバルセロナにて開催された世界最大のモバイルカンファレンス「Mobile World Congress 2017」のキーノートにて、同社の新戦略としてクラウドAIプラットフォーム「Clova(クローバ)」< >を発表した。

この「Clova」は、LINEと韓国のNAVERが共同開発プロジェクトとして研究開発を進めているもので、日本をはじめ、アジアでトップシェアを持つメッセンジャーアプリであるLINEと、韓国の検索ポータルNo. 1のNAVERが持つ開発技術や、サービスを活用することを介して、よりスマートなクラウドAIプラットフォームを実現するというもの。

具体的には昨今、LINEが目指したスマートフォン環境から事業の枠組みを拡張。同社はAmazon、Googleなどの米国勢から遅れを取っている次世代パラダイムとして、目、鼻、手、口、耳といった五感を通じたAIの開発を鋭意進めている。

この「Clova」を搭載した製品としては、アプリである「Clova App」の他、同社としては初の自社製ハードウェアとなるスマートスピーカー「WAVE(ウェーブ)」のリリースを、初夏を目処に日本と韓国とで予定している。

さらにマートディスプレイ「FACE(フェース)」の2017年冬のローンチも計画している。

これらは、いずれも話かけると音声で会話をしたり、ハードウェアを介してニュース・天気・占い情報・コマース・カレンダー・翻訳などのコンテンツ・サービスを提供するだけでなく、音声で家の電気のオンオフなどを行うホームコントール。

音声専用コンテンツとして、読み聞かせなどができるオーディオブックなどが利用できるようになるとしている。

なお現在LINEは、この「Clova」の搭載に向けて他社とのエコシステム拡充に熱心で、ソニーエージェントテクノロジーを搭載し、スマートプロダクトを展開するソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社。

スマートトイ分野で日本を代表する玩具業界のリーディングカンパニーである株式会社タカラトミー。

さらにホームロボット分野では、バーチャルホームロボット「Gatebox」を展開する自社連携傘下の株式会社ウィンクルなどとのパートナーシップを推進。

これらの取り組みを皮切りに、ニュース、ビデオ、音楽、決済、タクシー、コマースなどあらゆるデバイス、あらゆるシーン、あらゆる環境とAIが溶け合っていく世界を目指している。

一方トヨタ側の「SDL」は、トヨタが推進するスマートフォンアプリとクルマがつながるためのオープンソースであり、SDLの利用者は、車載の音声認識機能や操作パネルを通じ、車内でアプリを操作することができる。

この「SDL」そのものは、2015年早々の段階で米国のフォード・モーター・カンパニー(Ford Motor Company、本社:米ミシガン州ディアボーン、会長:ウィリアム・クレイ・フォード, Jr、以下フォード)と同社傘下のリビオ社が開発するインフラ技術導入のための検討を開始。

翌年2016年の1月に「SDL」の仕様開発・運営を行う枠組みを構築することでフォードと合意していた。

さらに翌年2017年1月には、トヨタ自動車を含む国内自動車メーカー4社で、スマートフォンとクルマをつなげ、スマートフォンアプリを車内で利用するためのオープンソース「スマートデバイスリンク(SDL)」を管理する非営利団体「スマートデバイスリンク コンソーシアム」を設立している。

現在は連携が進み、富士重工業株式会社、マツダ株式会社、スズキ株式会社、PSAグループに加えElektrobit、Luxoft、Xevoといったサプライヤーも参画し、Harman、Panasonic、Pioneer、QNXが覚書にサインしている(2017年1月4日時点)。

ちなみに、このSDLは既に2013年にフォードによって、スマートフォンアプリと車載器を連携させる「アップリンク(AppLink™)」システムで採用されており、「アップリンク」は現在、2016年の段階で於いても世界で500万台を超える車両で利用可能となっていた。

現在は、この「SDL」の環境を利用することで、共同利用のアライアンスを組む自動車会社各社は、スマートフォンのアプリケーションを、自社の車載システムの特性やインターフェースに合わせて、より安全・快適に利用できるよう提供可能とするインフラ環境を用意している。

今回の協業を通じLINEとトヨタ自動車の両社は、LINEの音声エージェントテクノロジーを持つ「Clova」と、トヨタが推進、対応を進める「SDL」を連携させ、音声エージェント等を活用した新しいカーサービスの実現を、2018年の商品化を目指し検討していく構えだと云う。

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