ルノー・日産・三菱自の3社、互いのアライアンス維持を共同表明


仏・ルノーS.A.S.(本社:仏・ブローニュ=ビヤンクール、暫定CEO:ティエリー・ボロレCOO)、日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:西川 廣人)、三菱自動車工業株式会社(本社:東京都港区、取締役CEO兼暫定会長:益子修)の3社は、日本時間の11月29日の18時を境に互いのアライアンス関係について広く世界の報道陣に対して、ほぼ同時に共同メッセージを発信した。( 坂上 賢治 )

それによると、「これまでルノー・日産自動車・三菱自動車工業の3社による取締役会は、一貫してアライアンスの強い結束を維持することを目指して来ました。また本アライアンスは、過去20年の間、世界でも例を見ない成功を収めて来ました。

これを踏まえ我々アライアンス・パートナー各社は今後も、引き続き3社連合による取り組みに対して全力を注いで参ります」との短いコメントを印している。

またルノーのリリースに関してのみ、上記文面に続き3社のアライアンスが世界の自動車業界で最も長く、最も生産的な異文化間企業によるユニークなパートナーシップであること。2017年に約200カ国で約1060万台の自動車を販売した世界最大の自動車企業によるアライアンスであること。3社は競争力を高めるために協力とシナジーに最大限の重点を置いていることを誇示。加えて独ダイムラーや中国の東風を含む他の自動車グループとも戦略的な協力関係を結んでいるという一文が添えられている。

より具体的な会議内容とその結果については、先の通り、これまで強力なアライアンス関係を維持・継続して来た3社であるが、これまで、この日仏連合を強いリーダーシップを掲げて主導して来たカルロス・ゴーン容疑者が、東京地検特捜部に逮捕されて10日目を迎えた同日の11月29日。

ルノーと日産の結成が19年と8ヶ月目(1999年3月27日結成)。三菱自動車工業が加わって2年目と1ヶ月目(10月20日・日産自動車が三菱自動車工業の株式を34%保有し単独筆頭株主になった)を迎えたこの夜。

日産自動車の西川社長と、三菱自動車工業の益子修CEO兼暫定会長のふたりが日本からのテレビ中継を介して参加。アライアンス統括会社「ルノー・日産BV<  >」の本社があるオランダ・アムステルダム現地で、これを迎えたルノー暫定CEOのティエリー・ボロレCOOの都合3人が集結する格好で各社首脳達による経営トップ会議を開いた。

この場で3社は、我々のアライアンスはおよそ20年間、類を見ない成功例を世界に示してきた。これを踏まえ、互いのアライアンス関係の維持について、今後も関係構築にコミットし続けることに合意したとし、各社経営トップ3人で結論へと導いた事案をアライアンスの未来の事業に反映させるとした。

これについて、今回渦中の中心的存在となっている日産自動車の西川社長は、「本日、(互いの)アライアンスの結束を維持していくことを確認した。協議内容は非常に意味あるものとなった。3社の目指す方向性は一致しており、今後も我々3人で協業関係を前進させていく」とコメントした。

上記を額面通りに受け取ると、これまで3社の会長職に就いていたゴーン容疑者に集中していた意思決定の仕組みそのものを完全に取り払ったように映る。ただ、この日に於いては、3社いずれのプレス発表に於いても、それ以上のことは何も掲示されていない。

従って3社の意志や、方針が異なった場合の解決策については、玉虫色のままであり、仮に3社による合議制が成立しているとしても、かつてゴーン容疑者が単独で決定を導いてきた過去に比べると、意思決定のスピードはその分、大きく減速することになりそうだ。

加えて、同日の会議実施前から日産自動車の43%の株式を保持し、今と変わらない枠組みを維持したいとするルノー並びに、同社筆頭大株主のフランス政府筋が強く主張している「ルノー・日産BVのCEO決定はルノーの専権事項」と述べてきたトップ人事について、実際に3社協議を経て、現実に誰を推挙するのかの攻防劇が待ち受けている。

併せて、開発や調達など共有戦略についても新たな策定事案が進められるものと考えられるが、その一環として、ゴーン氏が昨年来より方向性を定めていた英国・サンダーランド工場や、フランス本国での同一プラットフォーム車に係る未来を含んだ世界の車両生産体制についても、一部はゼロから協議が重ねられる可能性も考えられる。

一方の日産自動車は、現状の企業統治の捻れを是正し「対等の関係」に見直すことに現段階では意欲を見せている。また三菱自動車工業にも、今後の流れ次第では三菱グループの「三菱金曜会」を背景とした社内事情が横たわる。

そもそもゴーン容疑者は、現段階で東京地検特捜部に拘束されているとはいえ、日産自動車の古株の取締役の地位にあり、今後のアライアンスの前進に対しては未だ難題が山積していると言っても良いだろう。

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