TOYOTA GAZOO Racing、WRC参戦体制を発表。ヤリスWRCとドライバーを披露

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トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田章男、以下 トヨタ)傘下のTOYOTA GAZOO Racingは、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)の開幕戦であるラリーモンテカルロを1か月先に控え、2017年シーズンに臨むヤリスWRC(日本名 : ヴィッツ)とドライバーを発表した。

チームは、開幕戦から万全の体制で挑むために、数千時間に及ぶ開発とテスト走行にチーム一丸となり取り組んできたが、今まさに準備の最終段階を迎えている。

ラリーは、お客様が普段走る道でいかに速く走るかを競うカテゴリーであり、その最高峰であるWRCは、世界の様々な道を知り、人とクルマを鍛え、技術を高めるための最高の舞台のひとつである。

TOYOTA GAZOO Racingは、WRCへの参戦を通じて「もっといいクルマづくり」をさらに追求していく。

発表披露にあたって、豊田章男チーム総代表は、「本日、チームの皆、パートナーの皆様と共に、WRCの道に挑戦するクルマをお披露目できることを大変嬉しく思います。

17年間この日を待っていてくださったファンの皆様と、この競技を守り、盛り上げ続けてくださった競技主催者、参加者、自動車メーカーの方々がいてくれたからこそ、我々はこの舞台に戻ることができた。改めて感謝申し上げたいと思います。

人もクルマも、競い合いの中で、鍛えられ成長していく…、しかしTOYOTA GAZOO Racingは“負け嫌い”。WRCでも、負けたくはありません。

そうした想いのなか先日、トミ・マキネンとクルマを走らせ、このクルマで戦っていく“自信”を共有することが出来ました。

『王者トヨタが帰ってきたね!』『トヨタを応援してよかった!』と、ファンの皆様に笑顔で言っていただける日を一日でも早く実現できるよう、トミをはじめとするフィンランド、ドイツ、日本のチームメンバー達が努力を続けていくので、是非応援して下さい」と述べた。

なおヤリスWRCは、2017年シーズンのFIA技術規定に準拠したマシンに仕上がった。

同車では新世代のワールドラリーカーとして、来たるシーズンにおけるラリー競技のトップカテゴリーに新たな次元の走りをもたらすだろうと云う。

その仕様では1.6リットル直噴エンジン出力で380馬力を誇り、同規定により設計の自由度が増したおかげで、空力面で優れた水準を達成している。

また設計・開発には、トム・フォウラー、サイモン・キャリアー、ミッコ・ルオホら経験豊富なエンジニア・チームが携わっている。

マシンの仕上がりについて、チーム代表のトミ・マキネン氏は、「ヤリスWRCは、信じられないほどのポテンシャルを持つ、優れた設計のクルマだ。

新規定により、開発の自由度が大幅に高まっている。まだすべてのポテンシャルを引き出せているわけではないが、ヤリスWRCは、信頼性と速さを兼ね備えていると言える。結果がどう出るか、本当に待ち遠しい限りだ」とコメントした。

来年1月にモンテカルロで開催される開幕戦には、2台のヤリスWRCの参戦を予定しており、ヤリ-マティ・ラトバラとユホ・ハンニネンがステアリングを握る。

また、今年WRC 2でタイトルを獲得したエサペッカ・ラッピも、テストドライバーとして、シーズンを通してチームに加わる。

特に2002年に初めてWRCに参戦してから2016年シーズンまでで16勝をあげ、人々に感動を与え続けている。169回の出場回数、コ・ドライバーのミッカ・アンティラと共に3回のWRC年間ランキング2位を達成したラトバラは、WRCにおける最も有名なドライバーの1人だ。

彼の多くの貴重な経験と技術力は、2017年のTOYOTA GAZOO Racing WRCチームに大きな勢いを与えるだろう。

そんなラトバラは、「2001年トヨタのカローラGTでラリーの道に入り、2003年に最初に乗ったワールドラリーカーはカローラWRCだったので、色々な意味で、“ここに帰ってきた!”と感じる。

TOYOTA GAZOO Racing WRCチームの参戦初年度からチームに加わり、一緒に新しい冒険に挑戦する事ができて非常に幸運に思うし、多くの勝利を積み上げていきたい」と語っている。

対してコ・ドライバーのカイ・リンドストロームと共に参戦するユホ・ハンニネンは、ヤリスWRCの初期のテスト走行から開発に参加してきた。

ハンニネンは、世界ラリー選手権で極めて豊富な経験を持ち、ヤリスWRCを知り尽くしているため、チームにとって大きなプラスになる。

さらに今年、新たなWRC 2チャンピオンとなったエサペッカ・ラッピは、そのスピード、落ち着き、適応能力に強みを持つ。

ERCのR5カテゴリーからスタートし、WRC 2の世界の舞台で技術を磨いた彼は、今TOYOTA GAZOO Racaing WRCチームのテストドライバーとして、新たな挑戦に挑む準備ができている。

ラッピは、「これは私とコ・ドライバーのヤンネ・フェルムにとって素晴らしい機会で、夢が叶ったようだ。

何年も努力を続けてきたが、やっとここまでくることができた。チームに加わることに興奮しているし、この素晴らしい機会に感謝している。

チームのメンバーと共にヤリスWRCテストプログラムを始めることが待ちきれない」と来季への意欲を語った。

なお以下は、豊田章男チーム総代表コメント全文となる。

2014年7月にフィンランドでWRCを観戦した際、多くのファンの方から、「トヨタは、いつラリーに戻るんだ?」という声をいただきました。

その半年後に「WRCの道に再び戻る」ことを決意し、本日、その準備を進めたチームの皆、そして支えていただいているパートナーの皆様と共にWRCの道に挑戦するクルマを、世界中の皆さまにお披露目できること、大変嬉しく思います。

かつてトヨタがWRCに参戦させていただいていたことが、10数年の時を経ても多くの方々の記憶に残っていることは大変な驚きと喜びでした。

17年間、この日を待っていてくださったファンの方々に「皆様の気持ちがあったからこそ、トヨタはこの日を迎えることができました。ありがとう。」と感謝の気持ちでいっぱいです。

同時に、1970年代の設立期からチームをリードし続けてくれた故オベ・アンダーソンさん、そのもとで、1980年代にトヨタの確固たる存在感を築いてくれた故ビヨン・ワルデガルドさん、そして、1990年代にドライバーズチャンピオンを獲得してくれたカルロス・サインツさん、ユハ・カンクネンさん、ディディエ・オリオールさん。「ラリーとトヨタ」を人々の記憶に強く刻んでくれた多くの先人達にも、改めて感謝いたします。

あらゆる道を走る競技であるラリーは、人とクルマを鍛え上げるためには最適な舞台です。

トヨタは、その舞台から長い間、離れていました。しかし、競技主催者、参加者、自動車メーカー、そしてファンの皆様が、この競技を守り、盛り上げ続けてくださったからこそ我々は、この舞台に戻ることができました。

人もクルマも、競い合いの中で…、それも予測しえない環境にさらされた時にこそ本当に鍛えられ成長してまいります。

トミ・マキネンは、幾度となくWRCを制覇した経験を持ち、また、三菱・スバルをはじめ、様々なクルマに乗って戦った経験の持ち主です。

彼とならば、他のチームと対等に競い合い、トヨタをも成長させてもらえるクルマとチームを一緒に作っていける…そう思い、彼にクルマづくり、チームづくりをお願いしました。

今年のル・マン24時間耐久レースの後にも言いましたが、TOYOTA GAZOO Racingは“負け嫌い”です。WRCでも、負けたくはありません。

先日、短い時間ですがヤリスWRCのステアリングを握り、トミと一緒にクルマを走らせることができました。

クルマから感じる音や匂い、ステアリングやペダルから伝わる感覚、そして何よりクルマを作りあげてきたトミの表情を見て、このクルマで戦っていく“自信”を、彼と共有することが出来ました。

古くから応援していただいているファンの皆様には「王者トヨタが帰ってきたね!」と新たに応援していただけるファンの皆様には「トヨタを応援してよかった!」と笑顔で言っていただける日を一日でも早く実現できるよう、残り1か月、WRC開幕のその瞬間までトミをはじめとするフィンランド、ドイツそして日本の負け嫌いなチームメンバー達が最後まで努力を続けてまいります。負け嫌いなTOYOTA GAZOO RacingのWRCへの挑戦への応援をよろしくお願いいたします。